水道料金が止まるまで

先日、中学時代の友人から連絡があり、お金を貸してくれないかと頼まれた。数ヶ月前に5万円貸していて、それから音沙汰なく、心配していた。追加でお金を貸すには理由を聞かなければならないと思い、状況を説明してもらった。

数年前まで、その友人はバーテンダーとして働いていた。イケメンで女性客からも人気があり、可愛い彼女もいた。しかし、身体を壊してしまい、病気になり、しばらく仕事ができない状況が続いてしまった。

その経験から夜の仕事はできないと思い、派遣会社に登録して、今はホテルのフロントの仕事をしているようだ。病気になってから、体調を崩しやすくなり、フロントの仕事も長期で休むこともあり、生活が苦しい状況から抜け出せないでいる。

1人暮らしをしているが、実家には戻れるような感じではないらしい。先日、水道料金が止められたそうだ。水道は生死に関わる大切なライフラインなので、少しぐらい支払いが遅れても大丈夫だろうと思っていたが、さすがに3カ月滞納したので、止められてしまったようだ。

その友人は20代のころに消費者金融からお金を借りて、債務整理するまで至っている。将来のことを考えて貯金もしてこなかった。自分が悪いと、友人は自分を責めていた。昔からの仲だし、お金は貸したくなかったが、少しでも助けになれればと5万円を追加で貸した。

友人が今、他の友人からもお金を借りて迷惑をかけていると感じているようだ。友人の立場を考えるとつらいものがある。ただ、そこから学びがある。健康と貯金は大切だということだ。友人に足りなかったのは、先の見通しとリスクの予測だ。最悪の事態を想定しておけば、ここまで苦しくはならなかった。今を楽しむことも大切だが、リスクに備えることも重要だと改めて学ぶことができた。