交渉術

セブンイレブンの成長は著しい。今は、セブン&アイ・ホールディングスの中で、稼ぎ頭となっているコンビニ事業である。最近は、イトーヨーカドーの経営が厳しく、閉店する店舗があとをたたない。それでも、セブンイレブンは日本のコンビニ業界のトップに君臨し続けている。

セブンイレブンは、イトーヨーカドーの社員であった鈴木敏文さんが作った。もともとは、アメリカにセブンイレブンがあり、そのお店に感動し、日本に取り入れたいと思ったことがきっかけのようだ。当時、アメリカのセブンイレブンはカナダにロイヤリティ1%で契約していた。

当時、日本にセブンイレブンを取り入れた場合、利益は3%程度しか見込めず、1%のロイヤリティでは、経営が厳しいと判断した。そこで、鈴木さんは、アメリカのセブンイレブンに対して、パーセンテージではなく、総利益で考えてもらいたいと主張した。交渉される側の立場に立ち、どんなメリットがあるのかを熱弁した。

日本でセブンイレブンが普及すれば、ロイヤリティが0.5%でも十分大きな金額になると説得した。その結果、鈴木さんの提案した0.5%という数字には至らなかったが、0.6%で契約してもらえることになった。

今、そのロイヤリティがどのようになっているのかはわからないが、ここまでセブンイレブンが成長できたのも鈴木さんの交渉術があったことが大きいと感じる。相手の立場に立ち、相手のメリットをわかりやすく説明することで、相手を説得できた。

これは、誰にでも使える交渉術なのではないだろうか。