学習性無力感を知る

セリグマンの実験というものがある。A、Bの犬がいる。それぞれ別の部屋に犬を入れて、電流を流す。Aの犬の部屋にはレバーがあり、それを押すと電流は止まる。一方、Bの部屋にもレバーがあるが、それを押しても電流は止まらず流れ続ける。どちらの犬も電流を止めるためにレバーを押すような様子が見られるようだ。

その後、A、Bの犬に対して、別の部屋で実験を行う。部屋にレバーを設置し、電流を流す。今度は、A、Bの犬共に、レバーを押せば電流が止まるようにする。しかし、Aの犬はレバーを押して電流を止めるのだが、Bの犬は全く動こうとしない。

Bの犬は最初に、電流が流れたときにレバーを押しても何も変化は起きなかった経験があるため、次もレバーを押しても何も変わらないだろうと考えたのである。これは、学習性無力感の一つの例だ。

学習性無力感とは、勉強してもどうせうまくいかないだろうと諦めるようになる現象だ。成功体験がないので、これから先に何をやっても変わらないだろうと、行動することの弊害となってしまうものだ。

この実験から、いかにして子供に成功体験を与えられるかが重要であるかがよくわかる。また、無力感を抱いている子供をいかにして引っ張ってあげられるかどうかがより大切になることを教えてくれる。

この実験から、ただの放置ではなく、こどもの視点に立って、一緒に課題解決をしていくことも重要だと気付かされる。