料理人への道

先日、調理専門学校の先生と話す機会があった。飲食の業界はきついというイメージがあるが、実際に専門学校を卒業した後の就職先の労働条件は改善されているようだ。人手不足が日本の社会問題となっており、これでは人が集まらないと思って条件が良くなっていったのだろう。

リゾート地や名門ホテルの給与水準は高いという。宿泊者から多くのお金をもらっているので、その分、労働者への還元がなされている。ホテルの現場といえば、朝と晩のレストランの営業があり、拘束時間が長いというイメージがあった。

しかし、今のホテルやリゾート地の現場は、土日はなかなか休めないところは多く、労働時間も不規則にはなるが、シフト制をしっかりしいていて、長時間労働にならないような工夫がされているようだ。

調理専門学校に入ってくる学生は、ゆくゆくは自分のお店を持ちたいと志を持った人が多いが、実態として開業する人は少ないという。開業には資金が必要であり、そのお金が多くかかるため、独立というよりも、料理長を目指す人が多いイメージだ。

一方で、開業にあまりお金がかからない業態が人気だという。移動販売はトラック一台と、販売場所の許可さえ取れれば、初期費用や労力はあまりかからなくて済む。

今は、何でも屋ではなく、専門店に人が流れる時代だ。牛丼を食べたければ吉野家へ行き、ハンバーガーを食べたければマクドナルドへ行く。何かに特化した方が、無駄が生まれにくくなる。

経営は美味しいだけではなく、効率化が求められる。独立が全てではないが、夢を持った人達を応援できる社会になってほしいものだ。