知識を活かす

歴史を学んでも意味がないという人がいる。しかし、ドイツの鉄血宰相ビスマルクは『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』と言う。偉大な人ほど歴史を学ぶ重要性がよくわかっている。

ヨーロッパでは、過去にローマ帝国が栄え、キリスト教が大きな影響を与えた。中国では長く宦官という制度が保たれた。日本では、天皇制に加え、将軍という権力も与えられた。これらのことは、学生時代に学んだことであり、歴史に興味がない人でもなんとなくはわかることだ。これらの知識をどのように活かすのかが大切なのだ。

例えば、日本で天皇制に加え、将軍という権力が同時にあったのは、独裁者を生まないためではないかという仮説を立てることができる。正直この仮説が正しいかはわからない。ただ、この独裁者を生まないための制度を世界史で見ると、様々な発見が生まれるのではないだろうか。

その学びから、では権力がある人とどのように戦っていけばいいかという日常的な問いを考えるヒントにならあるのだ。歴史を単なる雑学としてではなく、自分や周りの人を豊かにするための行動に使えるかどうかが大切なのだ。それができるようになると、歴史教育の価値がわかり、ビスマルクの言葉もしみてくるのではないだろうか。