三千円の使い方

3000円の使い方で人生が決まるという言葉が胸に刺さる、そんな家族の物語だ。お金とどう向き合うことで幸せになることができるのか、それを考えさせてくれる話だった。いい歳をして、親戚の残した家に住まわせてもらい、短期のアルバイトで生計を立てているやすおさん。彼は一般社会の人から見たら、落ちこぼれと見られるかもしれない。そんな彼でも、人との付き合いは大切にして、周りの人との絆を深めていく。大切な恋人の存在に気づき、その彼女のために自分がどうすべきかを考えてもがいていく姿がリアルだった。付き合っている彼氏が多額の奨学金を抱えていて、その親もお金に無頓着であることに気づいたみほは、彼との今後を考えるようになる。一度は距離を置くことになるが、その彼氏の状況を受け入れていくことを決める。経済的に正しいことが人生の正しい選択とは言えない。そもそも子供を持つことは経済的に損であると見られることが多いが、それ以上の幸せが得られる。

お金で得られないものは、世の中にたくさんあり、それを見つけられた人はかっこいい。そして、お金をいかに使うかが、その人の人生を決める。

自信を持って、胸を張って言えるものに3000円を使いたい。