高校生の就職活動

ある企業の人事担当者から聞いた話である。高校生の就職活動は、大学、短大、専門と違い、急ピッチで進められるという。7月から求人票が公開され、そこから受験したい企業を選び、9月中旬からの初回の試験を受ける形となるそうだ。たった2ヶ月ちょっとで見学や応募、面接練習など、本当に忙しい印象だ。

高校生の就職活動は1人1社制を用いていて、初回の受験に関しては、併願受験ができない。だから、学生側も真剣に企業を選ばなければならない。大学などとは異なり、合格率はグッと高い。

最初の試験で落ちると、採用を募集している求人が減るため、会社を選べなくなる。採用担当者が面接した人で、1月に受験した学生が印象的だったと話していた。

その学生に、なぜうちを受けてくれたのかを聞いたら、その会社しか残っていなかったから。と答えたそうだ。それまでに4社受けたがどこも不採用で、受かりそうな会社だったから、受けたという。ちなみにこの人事担当者が勤めている会社は、ある警備会社である。

そこで、その人事担当者が思ったことは、これから何十年も働く会社をそんな理由で受験していいものかと感じたそうだ。ただなんとなく選んだ会社に入社してうまくいく人もあるだろう。しかし、こんなんじゃなかったと後悔する人の方が多いのではないか。

高校生の離職率は3年で35%が辞めている。この数値をもっと低く抑えるためには、こういう子達をいかに意識づけして、職業観を育成してあげられるかが重要なのではないだろうか。