静岡県知事の突然の辞任

静岡県の川勝知事が突然の辞任を発表した。不適切な発言があったことを謝罪したが、発言自体を撤回するということはなかった。中身は、「県庁の仕事は酪農や野菜を作ったりする人たちと違って、頭脳を使い、知能の高い人達が集まっている」というようなものだったという。職業差別だとして、世間から批判されてきた。

辞任する主な理由はリニアだという。先日、JR東海が、2027年のリニア新幹線の開業を断念した。これには、川勝知事が深く関わっている。川勝知事は、リニアの開業は、静岡県を通過するだけで、静岡にメリットがないとして、工事の着工を認めなかったことで行き詰まった。

一県知事の判断で、国益が損なわれることは、とても残念だと感じていた。リニア新幹線の開業のために、日本のすばらしい自然が削られるのはよくわかる。しかし、IT分野や宇宙産業で遅れを取っている日本が、技術で世界をリードできる分野の一つがリニアなのだ。

この技術は、日本の武器になる。また、リニアの開業によって人の流れがより流動的になって、経済の活性化も見込める。リニアに乗りたい海外からの観光客も増えるだろう。日本の停滞した状況を脱する一つの鍵となるのだ。

今回の川勝知事の辞任はポジティブに捉えることができる。次の静岡県知事に期待したい。